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恋する世界遺産11 愛の王国、セレンゲティ

2011年02月12日 11:13

「愛」とはつながり。
命は命に引かれ、命をつなぐために命を懸ける。
毎年10~11月、ケニアのマサイマラ国立公園やヴィクトリア湖周辺に移動していたヌーを中心とする草食動物たちは、幅約百メートルのマラ川に集まってその瞬間を待つ。
大地を埋め尽くすヌーの数、百万以上。
川には世界最強の爬虫類ナイルワニ、対岸のセレンゲティには百獣の王ライオンに狩りの名手ハイエナ、世界最速の陸上動物チーターが顔をそろえ、上空ではハゲコウやハゲワシが目を光らせている。

serengeti1.jpg

そんな中、勇気ある一頭のヌーが意を決し、決死のダイブを仕掛ける。
このダイブをきっかけに、ヌーたちはいっせいにダイブを開始し、一列になってマラ川を渡り出す。
サバンナ最大のビッグ・イベント、大移動=グレイト・ミグレーションだ。

泳ぐことのできないヌーたちにとって、ダイブはまさに命懸け。
溺れるものもいるし、他のヌーに踏みつけられるものもいる。
疲れ果てて動けなくなれば、ワニやライオンたちが一気に襲いかかる。

一方のワニやライオンたちにとっても、子供たちを産み育てるために狩りを成功させる千載一遇のチャンス。
草食動物にとってだけでなく、肉食動物にとっても大移動は命をつなぐ絶好の機会なのだ。

命からがら川渡りに成功したヌーを待っているのは雨季のセレンゲティ。
新しく生えた新芽はヌーたちを育み、やがていっせいに出産期を迎える。
ヌーのおよそ9割はこの時期に生まれるのだという。

ヌーに限らず草食動物は子供が誕生すると集団で子供を守り、親は子にぴったり寄り添って移動を繰り返す。
だからいつも家族一緒。
事故でも起きない限り、親子が離れ離れになることはけっしてない。

serengeti2.jpg

こうして命が新しい世代へと伝えられるだけでなく、動物たちの出す糞によって栄養分はサバンナ一帯に拡散し、あるいは死んだ動物でさえ自らの体を肉食動物に与えたり土に返すことによって他の生命を育み、自然を再生する。

「愛」とはつながり。
命は命に引かれ、命をつなぐために命を懸ける。

では、なぜ私たちは命をつなぐのか?

答えは誰にもわからない。
わからないけれども男は女を、女は男を愛し、親は子を、子は親を愛する。

それが「生命」なのだ。



国名:タンザニア連合共和国
名称:セレンゲティ国立公園
Serengeti National Park
登録:1981年
基準:自然遺産(vii)(x)
概要:スワヒリ語で「終わりのない平原」を意味する国立公園で、ライオン、ヒョウ、チーター、ゾウ、カバ、サイなど、哺乳動物だけで60種以上が生息する野生の王国。100万とも300万とも言われるヌーの大群が、セレンゲティと、隣接するマサイマラやその周辺を往復する命懸けの大移動は、生物界屈指のビッグ・イベントとして知られている。

※本記事は『intro.G』に連載された「二人で行きたい世界遺産」のテキストです

セレンゲティ国立公園/タンザニア(All About「世界遺産」)

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