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恋する世界遺産8 ロマンティック・ライン

2010年08月24日 20:00

両岸の切り立った丘にはパッチワークのように連なるブドウ畑。
岩山の要所要所には川を守るように多数の城が見下ろしている。
時おり現れる港には糸杉が並び、パステルカラーの家並みがかわいらしくたたずんでいる。
ゆったり流れるラインの流れに身をまかせ、船はのんびり川を下る。
デッキでキリッと冷えたリースリングを味わっていると、どこからともなく響きわたるはローレライの美しい旋律。

rhine1.jpg
ボッパルトの大湾曲

 * * *

かつてライン川の畔にローレライという美しい娘が住んでいた。
その美貌は多くの男を引き寄せたが、ローレライは恋人である若い騎士を一途に愛していた。

そんなある日、ローレライに求婚して断られた司祭が逆恨みして、彼女は魔女だと裁判に訴える。
街の名士を相手にした裁判を前に、騎士はローレライを裏切って彼女のもとを去ってしまう。

絶望したローレライは自ら死刑を望むが、不憫に思った裁判官は彼女を修道院に送る判決を下す。
護送される道中、最期に思い出の街を見たいと願い出たローレライは、騎士の城を見下ろす岩山からライン川に身を投げる。

rhine2.jpg
左がローレライの岩山

やがて船乗りたちの間で奇妙な噂が流れるようになる。

ローレライが身を投げた辺りに、時おりこの世のものとは思えぬ美女が岩場に腰掛けて、金色の櫛で髪をとかしながら美しい歌声を響かせるのだと。
その歌声を耳にした者は舵を取るのも忘れて聞き惚れて、やがて船は岩にぶつかり、水中深くに引きずり込まれてしまう。

 * * *

岩山で急激に狭まり大きく向きを変えるラインの曲線は女性美のようにセクシーで、極上のワインと船上に流れるジルヒャーの名曲とあいまって、思わずうっとり聞き惚れてしまう。
でも、どうやら船上にたくさんいる新婚カップルの耳には届かない。

rhine3.jpg
川の中にあるプファルツ城

男性不信のまま魔女に落ちた不幸な不幸なローレライ。
恋人ふたりの仲睦まじい姿が、きっと彼女の魂を鎮めることを祈って。



国名:ドイツ連邦共和国
名称:ライン渓谷中流上部
UpperMiddleRhineValley
登録:2002年
基準:文化遺産(ii)(iv)(v)
概要:ライン川で最も美しいと言われるビンゲンからコブレンツにかけての65kmが登録地で、川下りはそのすばらしさからロマンティック・ラインの異名をとる。古くから交通の要衝で、両岸には街が点在し、数多くの城が街々を見守っている。ドイツを代表する白ワイン種、リースリングの世界的な産地でもあり、切り立った崖に緑豊かなブドウ畑が広がっている。

※本記事は『intro.G』に連載された「二人で行きたい世界遺産」のテキストです

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