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世界遺産検定

2010年07月06日 18:23

ついに受けました、世界遺産検定。
いやー、試験そのものよりも勉強がおもしろかった!
小さな頃から愛読書は雑誌『Newton』と『NATIONAL GEOGRAPHIC』。
『Newton』は創刊号から父親が買ってくれていましたし、『NATIONAL GEOGRAPHIC』は日本語版が出る前から英語版を読んでいたくらいです。
社会科学も自然科学も好きだった私ですから、それを包括的に復習できる世界遺産検定は思った以上におもしろかったです。

受験したのは3級、2級ですが、両方とも「満点か!」と思ったくらいの出来でしたが、残念ながら数問は勘違いだったようです。
クソ~。
勉強を続けよう!と、思った反面……

「みんな勉強していて楽しいのかな?」という疑問も湧いてきました。
なんかウンチクっぽいというか。

実は私、ウンチクとか雑学ものが好きではありません(個人的な主観です)。
だって「知っているかいないか」というだけで、そこに知性を感じないんですよね。
だから検定の類は受けたことがありませんでした。

よく出す例ですが、「なぜ物が落ちるのか?」という疑問に対して「重力があるからだ」という答えですますということがどうも……。
「物が落ちる」という現象に「重力」という名前をつけただけでどうして解決したことになるのか。

そりゃ物が落ちる速さやT秒後の位置は算出することができます。
でもそれは「物が落ちる」という現象の性格であって、「なぜ物が落ちるのか?」の原因には1mmも近づいていません。
だから私は重力という言葉を覚えることよりも、その謎を認めることの方がはるかに知的だと思うのです。
古代ギリシアでは「物は原子からできている」なんてことが言われたわけですが、19世紀にならないと観測できないような物質の存在を予想できたのは、こうした知を追究したからこそなのですから。

たとえば「フィレンツェのメディチ家の文化庇護によってルネサンスが開花した」と言いますが、その背景にどれだけの物語があったことか。
人や自然や神に対するどれだけの信仰、信念、思考、執念、闘争があったことか。
ルネサンスの背景にはネオ・プラトニズムなどの哲学があるのですが、これを知ると涙が出るほど感動します。
プロティノスを読んだときなど「もう死んでもいい」とまで思いました。本当に。

すべての世界遺産にはそのレベルの真実が込められています。
法隆寺の本当の価値は「世界最古の木造建築」なんていう結果にあるわけではありません。
あの時代、日本で誰も想像・創造することができなかった建築物をなぜ造らなければならなかったのか?
なぜそんな世界を必要としたのか?
その想いにこそ価値があると、私は思うのです。

2級の問題で、「3つの説明文から推察される、文化的景観が認められたワイン産地はどこか」という問題がありました。
選択肢は以下です。

1.サン・テミリオン地域
2.アルト・ドウロのワイン生産地域
3.トカイ地方のワイン産地の歴史的文化的景観
4.ラヴォー地域のブドウ畑

こういうときに、単純にウンチクとして覚えておしまいだったらなんの知性も感性も働いていませんよね?
まぁそれはそれでおもしろいのですけど。
でも、実際味わったらどうでしょう?

トカイの貴腐ワインなんて安いものなら2千円前後で手に入ります。
東京ならルイ14世が愛したエッセンシアをグラスで出しているお店もありますよ。

アウト・ドウロお得意のポートワインは「ワインにブランデーを添加」と書かれていますが、それがどういう味わいか想像できますか?
こちらも安く手に入りますし、バーやイタリア料理店などに行けば数種類は置いてあるものです。

サン・テミリオンのワインはカベルネ・ソーヴィニヨンやメルローが中心ですが、特徴のあるブドウです。
同じメーカーのワインでカベルネ・ソーヴィニヨンとメルローを飲み比べてみてください。
楽しいですよ。

こうして自分自身で味わえば、土地と太陽とブドウと人の関係をダイレクトに感じることができます。
ラヴォーの人々がなぜ3つの太陽を必要としたのか?
こうしたことも身にしみて理解できることでしょう。

テキストのたった1行にどれほどのドラマが込められていることか!
世界遺産検定を通じて、そうしたことに少しでも気づいてほしい、考えてほしい、感じてほしい。
気づきたい、考えたい、感じたい。
私はそう思います。
こうしたことを伝えられる人になりたいなー。

ってなことをふまえた世界遺産攻略テキストを作ってみたいなーなんて思ったりして。
出版社さん、どうですか、そんな企画。
書きますよ。
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