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恋する世界遺産4 愛と美の再生 フィレンツェ

2010年04月28日 11:25

おいしい。心地いい。楽しい。美しい。恋しい。愛しい――
人の感覚と感情が最大限に花開いたギリシア・ローマ時代。
やがてキリスト教がヨーロッパ文化の中心に据えられると、個よりも集団が優先され、教会を中心とした社会が重視されていく。
科学も芸術も生活もすべてが宗教中心となり、美しさや喜びといった感覚や感情は厳しく管理され、この世はあの世に向けた修行の場へと変化する。

botticelli.jpg
サンドロ・ボッティチェッリ『 ヴィーナスの誕生』1485年頃、ウフィツィ美術館

上の絵はフィレンツェのウフィツィ美術館収蔵の「ヴィーナスの誕生」。
ヴィーナスとはローマ時代の女神で愛と美の象徴。
それまでの禁欲的な宗教画とまったく異なり、ボッティチェリは女性の美しさや愛のすばらしさのみならず、季節の心地よさや色彩の楽しみをはじめ、あふれるほどの自由さでこの世の喜びを表現した。

ルネサンスとは「再生」。
ヴィーナスを再びこの世に取り戻す運動、愛と美の再生こそがルネサンスのテーマだった。

ボッティチェリを庇護し、支えたのがメディチ家だ。
世界の金融センターとして君臨したメディチ家は多くの学者や芸術家を育て、どこよりも美しい街を目指してフィレンツェを再建する。

firenze.jpg
ジョットの鐘楼から見たサンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂のクーポラ

たとえば「花の聖母マリア」の名を持つ写真のサンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂、通称ドゥオーモ。
カンピオの設計で150年近い歳月をかけて完成。
美しいだけでなく、そのドームは石造のものとしては世界最大規模を誇る。
たとえばウフィツィ美術館。
ミケランジェロ、ラファエロ、ダ・ヴィンチらの絵画を収蔵するだけでなく、建物そのものも世界遺産だ。

愛とは人と人との結びつき。
美とは人と物との結びつき。

愛と美を何より大切なテーマに掲げたルネサンス発祥の地フィレンツェ。
結びつきを宣言したいなら、結びつきを確認したいのならば、これほどふさわしい街は他にはない。



国名:イタリア
名称:フィレンツェ歴史地区
Historic Centre of Florence
登録:1982年
基準:文化遺産(i)(ii)(iii)(iv)(vi)
概要:毛織物業と金融業で発展したフィレンツェは15世紀、メディチ家の成功で世界経済の中心となる。同家は学者と芸術家を庇護して街を再建、これが世界的なルネサンスの流れに拡大した。街はドゥオーモをはじめすぐれた建築や彫刻、絵画であふれ、それゆえ「屋根のない博物館」の異名を持つ。

※本記事は『intro.G』に連載された「二人で行きたい世界遺産」のテキストです

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